頭痛
繰り返したり続いたりする「頭痛持ちの頭痛」を一次性頭痛、脳腫瘍や脳血管障害など「病気の部分症状の頭痛」を二次性頭痛と言います。
ほとんどの頭痛が一次性頭痛で、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛、後頭神経痛などがあります。
突発し持続する頭痛や、麻痺や言語障害など神経症状を伴う頭痛、徐々に増悪する頭痛などは二次性頭痛の可能性があり、早急な受診が勧められます。
頭痛の診療では、まず診察やMRIなど補助検査により二次性頭痛の有無を含め診断を行い、病態の説明と適正な対処指導や投薬などにより治療していきます。
めまい
めまいは「グルグル」「フワフワ」「ユラユラ」「クラー」など様々です。
「どのようなめまい」が、「どのような時」に、「どのくらいの持続時間」で起こるか、また、聴覚障害や嘔吐・歩行障害など付随する症状の有無の評価が必要です。
三半規管の障害など内耳性めまいや、立ちくらみのような自律神経性めまいが多いですが、一部に小脳や脳幹からのめまいが隠れています。MRI検査などで脳からのめまいである可能性を除外する必要があります。
麻痺やしびれ
力が入りにくく動きにくい状態を麻痺、触った感覚の低下を知覚障害と言い、神経障害の可能性が高いと考えられます。左右の半身に起こる麻痺やしびれは、まず脳梗塞や脳出血など脳疾患を疑います。その他、顔の片側がゆがむ顔面神経麻痺や、手足の末梢神経障害が原因の場合もあり、確実な診断が必要です。
言語障害
ろれつが回らなくなる「構音障害」や、思った言葉が出なくなる「失語症」などがあり、脳疾患が疑われます。早めの受診をお勧めします。
歩行障害
腰や膝の障害による整形外科疾患だけでなく、脳疾患からの麻痺やバランス障害によるものや、思い通りに足が出なくなるパーキンソン病など、原因は様々です。診察・検査などで適切に診断し、治療方針を決めることが重要です。
痙攣(けいれん)や震え
てんかんによる痙攣は小児だけでなく、高齢者でも増えています。
手指のふるえには本態性振戦やパーキンソン病が疑われ、脳や末梢神経を含めた検査が必要です。
片側の顔の痙攣(片側顔面痙攣)や、顔の片側に発作的に激痛を生じる(三叉神経痛)などは、手術や投薬で治るものもあります。診察・検査などで適切に診断し、治療方針を決めることが重要です。
物忘れ
ひどい物忘れなど認知症が疑われたら、早期の診断が必要です。その際、加齢による物忘れと認知症との鑑別が重要です。認知症の一部には、水頭症や慢性硬膜下血腫など手術で治るものもあります。MRI検査で脳内の状況を把握した上で、治療計画を立てる必要があります。
複視や視力・視野障害
「ものが二重に見える(複視)」「見えにくい(視力障害)」「見える範囲が狭くなる(視野障害)」といった症状には、白内障や緑内障、乱視など目そのものに原因がある場合と、脳梗塞や脳腫瘍など、脳に原因がある場合とがあります。診察・検査などで適切に診断し、治療方針を決めることが重要です。
意識消失や意識障害
一時的でも意識を失う状態は、失神やてんかん、脳疾患が疑われます。意識が回復しても、早急に診察・検査などで適切に診断し、治療方針を決めることが重要です。
ストップ!脳卒中
脳卒中は予防に勝る治療はありません。定期的に健康診断を受け、高血圧、高脂血症、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病になっていないか、チェックをしましょう。生活習慣病や不整脈など基礎疾患のある人は、動脈硬化の進行などにより脳卒中のリスクが高くなります。生活習慣病をコントロールし脳卒中予防を図りましょう。食事と運動の指導や投薬、定期チェックなど、健康寿命を延ばすサポートします。
MRI検査を受ける際の注意事項
機械の性質上、ベルトや入れ歯などの金属類は検査前の更衣時に、はずしていただきます。
また、カラーコンタクトレンズには、金属を含む色素が使われている場合があり、すべてはずしていただきます。(保存液やレンズケースはご準備しております。)
また、次のような方はMRI検査を受けられない場合があります。
MRI検査を受けられない方
① 心臓ペースメーカーや除細動装置を装着している方
② 金属製の心臓人工弁を埋め込まれている方
③ 人工内耳を使用されている方
④ 神経刺激装置(深部脳刺激装置)を使用されている方
⑤ 冠状動脈や頸動脈にステントを挿入されて間もない方(2ヶ月未満)
MRI検査を受けられない場合がある方
① 妊婦あるいは妊娠している可能性がある方
② 脳動脈瘤クリップ、VPシャント、人工関節など医療用の金属が埋め込まれている方。
③ その他、外傷などで体内に金属がある方
④ 閉所恐怖症の方
⑤ 入れ墨、アートメイクのある方